2008年9月27日土曜日

価値観と成功の基準

価値観とは辞書で調べると「物事を評価する際に基準とする、何にどういう価値を認めるかという判断」とあります。それは、個人の自由であり、生まれもった個性であったり、育った環境、経験などにより、人さまざまです。

価値観はある人から見れば間違えていることもあるし、ある人から見れば共感できることもあります。人が何に価値を見出しているかは、誰もその是非や善悪をジャッジすることはできません。

ある出来事をきっかけに自分の価値観が間違っていることに気がつき、その価値基準を変更するときがあります。
それはパラダイム・シフトです。それが大きな「気づき」であればあるほど、今までの自分が何なのか分からなくなったり、これからどう変わるべきかを考えたり、それはアイデンティティーの再構築になります。成長とも言えます。


成長によって、価値観は形作られ、年齢相応に「自分らしさ」を自覚するものだと思います。
人生において、重要な判断をしなければならない局面で、価値観以外から来る理由、たとえば経済的理由やそのときの欲望で、この「らしさ」を忘れて判断してしまうと、後になって後悔してしまうことがあります。そうならないように「自分らしさ」を分かっているだけでもいいと思うのです。
そういう意味で、いつでも自分らしい判断基準を自覚し明確にしておくことが大切です。


ここで、あなたはあるお店の経営者であるとします。

お店の中に、人の10倍の売上を上げる店員がいました。彼は、初めてお店にやってくる一見さんには大した説明もせず、ぞんざいに接客し、常連客だけを丁重に扱い、売上を伸ばしていました。

経営者であるあなたは、お客さんからの不満を耳にします。そのことについて何度もその店員と話し合い、分かってもらうよう説得しましたが態度は変わりません。あなたは悩みました。ひとりでも多くの人に自分の商品を買ってもらい満足してもらいたい、それが自分の「成功」を判断する基準だという価値観を持っていたからです。

その店員が売上を伸ばし、お店の利益を拡大していっても、自分の「成功」の基準から遠ざかるのであれば、彼を接客から外すことは正しい判断です。

そうすると売上は下がるでしょう。有能な販売員だったわけですから。 ですが、一時的に売上が下がったとしても、他の販売員を教育するなどして、がんばっていずれ「成功」に近づくことはできます。

目先の成果よりも、自分の価値観に従って本当に目指すべき「成功」の姿に近づくほうが、長い目で見れば「自分らしい」と思うのです。人は何かを犠牲にして生きていくことはできません。

成長とともに確立される価値観は、自分が成功したと判断できる基準を作ります。成功は自分が決めるということです。