2008年9月25日木曜日

先見の明

Oracleの創業者のひとりであるラリー・エリソン氏は、尊敬する人のひとりです。

不遇な生い立ちから成り上がったような人で、パワフルで攻撃的なイメージですが、技術屋として「先見の明」があります。(と思います)

1977年、エドガー・F・コッドのRDBの理論(論文 A Relational Model of Data for Large Shared Data Banks)をもとに商用RDBMSとして「Oracle」を世に出しました。その先見性は現在のOracleが物語っています。

僕はOracle7からの付き合いですが、そのブランドイメージに魅了されたひとりです。
何がいいかと考えると、まず、挙げられるのは、そのパフォーマンスと信頼性はもとより、OracleというRDBMSを取り巻くアーキテクチャに一貫性があります。開発ツールや保守ツールの充実、トラブル時の対処の情報も豊富で安心感があります。まあ、使い慣れているということもありますが。

バージョンが上がっても基本知識に互換がありますし。


最近では、「アプリケーション・ビルダー」(ノンプログラミングかつデータ中心アプローチで業務アプリを構築できます)にはびっくりしました。テーブルありきでCRUD(Create/Read/Update/Delete)アプリがさくさく作れます。


そして、我々開発者にとって、Oracleの導入コストがずいぶん下がったのも魅力のひとつです。

Oracleは早い時期からJavaを取り入れ、Linuxに対応し、無償版を提供するなど、時代の流れを読んでいる企業です。
ある程度のデータ量とハードスペックでは、当然コストが発生しますが、十分使えるものを無償で、出し惜しみせずに提供する姿勢は、社会に対するオープンマインドを地で行っている感があります。



2005年ごろからは同業者やソフト会社を買収し続けていましたが、最近その効果が出はじめているようです。特に今年の初めのBEA Systemsには驚きです。(BEAはアプリケーションサーバで有名なWebLogicの開発元です)


思うにOracleはRDB以外のミドルウェアのシェアもずっと狙っていたはずです。それをM&Aという形で手中に収め、今後の活躍の場を拡大させようとしています。


どこに向かうのかは分かりませんが、楽しみな企業ではあります。きっと安心できるソフトウェアを提供し続けるでしょう。





参考:コンピュータ偉人伝