2009年2月20日金曜日

論理ツリー


「ザ・ゴール 2」こちらもまたまた成功の示唆に富んだ一冊です。

思考プロセスを if then という関係でつなげて論理ツリーの構築に置き換えていく様子は爽快感すら覚えます。

この本のなかでは、著者の考え抜いたであろう論理ツリーをいくつか定義していて、コアな問題の発見とその解決そして変革への道筋を説得力のある独自の思考プロセスとして展開しています。非常に参考にしたいアプローチがいくつもありました。


これをヒントに自分でも考えてみました。

達成したいこと(願望)とそれに向かってやるべきこと(行動)の関係を論理的につなげて戦略を立てる手法です。
願望に対していったいどのような行動をとるべきなのかを明確にします。
あるいは、漠然とした願望すらも明確にできるようなアプローチだと思います。

手順はまず(1)最終的に達成したい願望を書き出してみることから始めます。

(2)その願望を達成するために、具体的に取るべき行動をひとつでも複数でも出来る限り列挙します。しかしここで注意するべきことは、具体的な行動が同じような事柄を含まないようにユニークな行動になるようにするということです。

このとき、もし(1)を達成したいならば、(2)を行う、というif thenの形で論理性をチェックします。
そして(2)を行うことで、(1)が達成されるという仮説を立証しておく必要があります。

(3)次にその列挙した(2)の具体的な行動それぞれに対して、最初にできる極力簡単な手段を複数挙げていきます。ここでも、(2)の行動を取るためには、(3)を行う、というif thenの形で論理チェックします。

このように最初に書き出した願望を頂点とした具体的行動とそれらの手段が細分化されるツリーを構築します。底辺がまず最初に着手するべき手段です。

つまり、比較的簡単な小さい手段を順番に消化していくことで、ある行動が達成され、その行動が伴って最終的に大きな願望の実現につながるということです。

このツリーを、多角的な視点で矛盾をなくしていきます。完成したら、あとはひとつひとつ実行していくだけです。

言わば「夢の達成ツリー」です。やってみよう。



2009年2月11日水曜日

多重度のススメ


UMLとはUnified Modeling Languageの略で日本語でいうと「統一モデリング言語」です。現実世界の事象をモデルとして抽出するときに論理的な概念を分かりやすくする共通語です。

今日はそのなかで、情報処理技術者試験にもよく出てくる多重度というものを紹介します。

多重度とは、線で結ばれた関係において、それぞれの側からみて”いくつ”つながっているかを示します。関係性のつながりを数で表現します。

上の図を例に説明しますと、「雇用する」という関係は、「人」は「会社」と0(雇用関係がない)か1社とつながる可能性があることを示しています。多重度の表現、ここでは「0..1」はその数字が書かれている線がつながる先の対象(今の場合「人」)を主語として、かつ、その数字の側(今の場合「会社」)を相手としてみることがミソです。

「会社」からみれば「人」のほうに「0..*」という多重度が示されており、「会社」は0人以上を雇用していることを示しています。

要は、対象が相手といくつつながる可能性があるかを相手側に書いた数字で示します。

ここでもし、図の「0..1」を「1」に書き換えると、人は誰もが会社に属していると定義することができます。「人」の部分は「社員」になりますね。
さらに図の「0..*」を「100..*」にすることで、何が言いたいか分かりますね。会社はかならず100人以上の人を雇用すると言えます。
こうありたいですね。

この多重度の表現を日常生活でも使うように心がけることで、関係性や問題の明確化につながるとは思いませんか。
さらに情報処理技術者試験の勉強にもつながります。一石二鳥ではありませんか。



2009年2月10日火曜日

PDCAは起承転結

ものを作る過程はおおむね次の段階を経ています。だいたいこれは何でも当てはまるものです。

・第1段階:準備や段取り
・第2段階:作成
・第3段階:確認や検証
・第4段階:反省

例えば、粘土で象を作ることを仮定すると、まず最初に作る象の形やパーツの大きさを考えて粘土の配分を考えます。そしてアウトラインから作り始めて、形になってきたら、徐々に細部まで仕上げていきます。完成したら、思い通りに出来上がったかどうか確認します。
作り終わって満足のいく出来栄えであれば、達成感に浸ります。納得がいかなければ、何が問題だったのか反省し、問題を改善させて次のもの作りにつなげます。

この過程は、まさにPDCAです。どの過程も省くことはできません。各々の過程が十分にその役目を果たすことで最終的に出来のよいものにつながります。


そう考えていると気がつきました。これは起承転結そのものです。

文章でも言葉でも起承転結を意識して構成することで、説得力が増したり、おもしろいものになったり、分かりやすくなったりします。言わばものを語るときの基本パターンです。

起承転結の「転」は物語の核です。ですが、これは「起」「承」があって始めて「転」のおもしろさが発揮されるところで、また「結」がなければ物語の意味が失われます。どれも重要です。

PDCAも同様に、それぞれの過程が製造における品質向上のポイントです。PDCAは起承転結と同じ4つの過程からなるパターンだということです。



2009年2月4日水曜日

知識とは知恵に至るための道

古代ギリシア人は4つの職業観を持っていたと言われています。

・技能(ペイラ)

・経験(エンペイリア)

・技術(テクネ)

・知識(エピステメ)

下にいくほど知識レベルが高度になっていきます。

ペイラは、「習うより慣れろ」といった反復訓練により習得される技術をいいます。

エンペイリアは、実際的知識と言われ、ペイラよりも経験を持ち、裏づけされた熟練の技術を持ちます。

テクネ(テクニックの語源)は、原理原則を踏まえた体系的な技術知識。言わば師範に弟子入りしその道のプロを目指している弟子が、一人前になったときに得られる技術といったところでしょうか。

エピステメは次の機会に。。


ピーター・ドラッカーによると、産業革命を境に技術が知識として体系化され、知的労働という現代人の職業観が芽生えたようです。

つまり以前は、技術は人から人へ伝授されるもので、長い時間をかけて学び、継承した者だけが得られる特別なものでした。弟子入りして苦労して修得される古代でいうところのテクネだったのです。

それが人類の功績によって技術は体系化され、書物になり、学問になり、多くの人々が学び得られる知識となりました。

現代はインターネットによって、あらゆる知識を得ることができます。ですが、経験を積まない知識は技術にはなり得ないということです。


ピーター・ドラッカーがいいことを言っていました。知識とは知恵に至るための道だ、と。


知恵:物事の道理を判断し処理していく心の働き。物事の筋道を立て、計画し、正しく処理していく能力。