2008年9月30日火曜日

TODOリストと生産性

やるべきことのリストをよくTODOリストと言います。

まっさらな紙に、やるべきことを箇条書きで列挙し、作業が完了したら、取消線で消していきます。もっともシンプルな作業管理です。

この取消線を引く瞬間に脳のなかでβエンドロフィンという物質が分泌されるそうです。βエンドロフィンは、脳内麻薬とも呼ばれています。どうりで気持ちいいわけです。

 Socketのtimeout時間を長くする。 軽いTODOはいいですね。

紙にTODOを書き記し、終わるたびに消して、最後のひとつが完了するとほっとします。最後は紙を丸めてゴミ箱に捨てます。ここでも麻薬効果で脳は活性化されます。


大切なのは、最初から短い時間ですべてのTODOが終わるようなボリュームにしておくことだと思います。永遠に続くように感じるTODOリストは経験的に放置されます。これがストレスの原因ですね。

何度も繰り返しTODOリストを終わらせていけば、いつも快適な仕事の進め方を実践していることになります。これが生産性を高める基本ではないかと。



2008年9月28日日曜日

リーダーシップとマネジメント

リーダーシップとマネジメントは違います。

それを考えるために、まずリーダーとマネジャーの違いを考えたいと思います。

リーダーとは指導者、指揮者を指し、みんなを導く人です。
具体的には、先見性に富み行動力があって意思決定をします。意味付けを行い、方向と目標を定めて、組織を先導し、責任を負います。
誠実で厳しさを持った人格で、人から尊敬され、みんなが認める能力を持っていることが重要です。

マネジャーとは管理者、あるいは監督者です。みんなの進む道を効率的に管理します。分析力が重要であり、調査し、計画を立案し、実行に伴う進捗、評価、支援を行います。
また、育成や啓発を促し、問題の発見や予防、改善を提言し、冷静に生産性の向上に努めます。

総じてリーダーが方向性を定め、マネジャーが生産者の実行を管理します。


たとえば、大海原に手漕ぎボートで放り出された光景を思い浮かべましょう。オールの漕ぎ手が実際にボートを進める生産者です。マネジャーは漕ぎ手の交代を管理したり、ボートを保守したり、みんなの食事を管理したり、海図を確認したり、ひとりの犠牲者も出さないように、ボートが岸までたどり着けるように実務的な管理をします。そのなかでリーダーは、漂流日数を最小限にするべく、太陽と星を頼りに岸までの進路を定めます。

みんな重要な役割です。


総じて、会社はリーダーを頂点とし、順にマネジャー、生産者と、ピラミッド型の構造を成します。
もし、ひとりしかいない会社ならば、ひとりが3役をこなす必要があります。

漂流者がひとりならば、自分で方向を決め、位置を調べ、食事を取り、ひたすら漕ぐのと同じです。


仮に全員が、リーダー兼マネジャー兼生産者だとしたら、会社は無限の可能性があります。ただし、そのときはリーダー同士の意思疎通が重要です。でないとバラバラになってしまいます。


2008年9月27日土曜日

価値観と成功の基準

価値観とは辞書で調べると「物事を評価する際に基準とする、何にどういう価値を認めるかという判断」とあります。それは、個人の自由であり、生まれもった個性であったり、育った環境、経験などにより、人さまざまです。

価値観はある人から見れば間違えていることもあるし、ある人から見れば共感できることもあります。人が何に価値を見出しているかは、誰もその是非や善悪をジャッジすることはできません。

ある出来事をきっかけに自分の価値観が間違っていることに気がつき、その価値基準を変更するときがあります。
それはパラダイム・シフトです。それが大きな「気づき」であればあるほど、今までの自分が何なのか分からなくなったり、これからどう変わるべきかを考えたり、それはアイデンティティーの再構築になります。成長とも言えます。


成長によって、価値観は形作られ、年齢相応に「自分らしさ」を自覚するものだと思います。
人生において、重要な判断をしなければならない局面で、価値観以外から来る理由、たとえば経済的理由やそのときの欲望で、この「らしさ」を忘れて判断してしまうと、後になって後悔してしまうことがあります。そうならないように「自分らしさ」を分かっているだけでもいいと思うのです。
そういう意味で、いつでも自分らしい判断基準を自覚し明確にしておくことが大切です。


ここで、あなたはあるお店の経営者であるとします。

お店の中に、人の10倍の売上を上げる店員がいました。彼は、初めてお店にやってくる一見さんには大した説明もせず、ぞんざいに接客し、常連客だけを丁重に扱い、売上を伸ばしていました。

経営者であるあなたは、お客さんからの不満を耳にします。そのことについて何度もその店員と話し合い、分かってもらうよう説得しましたが態度は変わりません。あなたは悩みました。ひとりでも多くの人に自分の商品を買ってもらい満足してもらいたい、それが自分の「成功」を判断する基準だという価値観を持っていたからです。

その店員が売上を伸ばし、お店の利益を拡大していっても、自分の「成功」の基準から遠ざかるのであれば、彼を接客から外すことは正しい判断です。

そうすると売上は下がるでしょう。有能な販売員だったわけですから。 ですが、一時的に売上が下がったとしても、他の販売員を教育するなどして、がんばっていずれ「成功」に近づくことはできます。

目先の成果よりも、自分の価値観に従って本当に目指すべき「成功」の姿に近づくほうが、長い目で見れば「自分らしい」と思うのです。人は何かを犠牲にして生きていくことはできません。

成長とともに確立される価値観は、自分が成功したと判断できる基準を作ります。成功は自分が決めるということです。


2008年9月25日木曜日

先見の明

Oracleの創業者のひとりであるラリー・エリソン氏は、尊敬する人のひとりです。

不遇な生い立ちから成り上がったような人で、パワフルで攻撃的なイメージですが、技術屋として「先見の明」があります。(と思います)

1977年、エドガー・F・コッドのRDBの理論(論文 A Relational Model of Data for Large Shared Data Banks)をもとに商用RDBMSとして「Oracle」を世に出しました。その先見性は現在のOracleが物語っています。

僕はOracle7からの付き合いですが、そのブランドイメージに魅了されたひとりです。
何がいいかと考えると、まず、挙げられるのは、そのパフォーマンスと信頼性はもとより、OracleというRDBMSを取り巻くアーキテクチャに一貫性があります。開発ツールや保守ツールの充実、トラブル時の対処の情報も豊富で安心感があります。まあ、使い慣れているということもありますが。

バージョンが上がっても基本知識に互換がありますし。


最近では、「アプリケーション・ビルダー」(ノンプログラミングかつデータ中心アプローチで業務アプリを構築できます)にはびっくりしました。テーブルありきでCRUD(Create/Read/Update/Delete)アプリがさくさく作れます。


そして、我々開発者にとって、Oracleの導入コストがずいぶん下がったのも魅力のひとつです。

Oracleは早い時期からJavaを取り入れ、Linuxに対応し、無償版を提供するなど、時代の流れを読んでいる企業です。
ある程度のデータ量とハードスペックでは、当然コストが発生しますが、十分使えるものを無償で、出し惜しみせずに提供する姿勢は、社会に対するオープンマインドを地で行っている感があります。



2005年ごろからは同業者やソフト会社を買収し続けていましたが、最近その効果が出はじめているようです。特に今年の初めのBEA Systemsには驚きです。(BEAはアプリケーションサーバで有名なWebLogicの開発元です)


思うにOracleはRDB以外のミドルウェアのシェアもずっと狙っていたはずです。それをM&Aという形で手中に収め、今後の活躍の場を拡大させようとしています。


どこに向かうのかは分かりませんが、楽しみな企業ではあります。きっと安心できるソフトウェアを提供し続けるでしょう。





参考:コンピュータ偉人伝

2008年9月24日水曜日

オープンマインド

(9月18日のつづき)

会社とは、社会的貢献を最終目標とした企業精神が、社会に受け入れられて初めて、意味を成す、と考えます。社会から利益という評価を得て初めて食っていけるわけです。

企業精神はそこに属する経営者、幹部、社員などにより方向付けられます。

そして、その個人の精神は、高潔なものであり、少なくとも人の良心に根ざした「善」を基本に成り立つべきだと考えます。要は裏切りやうそ、背信行為などの後ろ向きなことは考えず、人との信頼の上で、誰が見ても「良いこと」「正しいこと」「前向き」を根底に築き上げるべきものということです。

疑いながら仕事をすることはできません。閉塞感は生産性を下げるだけです。

では、どうやって、この「善」を具体的に形にするのか。

僕はひとつの提言をしようと思います。物心ついたころからこの精神でやってきたつもりですが、今日から、改めてやってみようと思います。

キーワードはオープンマインドです。心を開くということです。別に宗教的なことではなくて、人と接するときに要求されなくても、自らの能力や知識やスキルを公開し、人のために役立てる、ということです。ひょっとしたら、自分が損をするときもあるかもしれません。教えないほうがよかったと思うときもあるかもしれません。

でもいずれはこの発信が、自分の利益となって人から返ってくると思うのです。

出し惜しみせず、オープンに生きたほうが、気持ちがいいということかもしれません。

結局、出し惜しみしても大した「勝ち」にはならないと思うのです。

2008年9月19日金曜日

魚釣り

すばらしい格言に出会いました。

"Give a man a fish and you feed him for a day. Teach a man to fish and you feed him for a lifetime."

(人に魚をあげれば彼は一日食べることができる。しかし魚釣りを教えれば、彼は一生食べていける)


以下は言い回しを変えてみました。


子供に善悪を教えるには、毎日監視するよりも、長い目で良心を信じてあげるほうがよい。

新人にキーボードの打ち方を教えるよりも、アルゴリズムの成り立ちを教えるほうが、優れたプログラマーになる。

画面ごとにクラスを作るよりも、画面を構築するフレームワークを作るほうが、保守性に優れたアプリケーションになる。


物事は目先の成果よりも、本質にアプローチする手段を獲得するほうが、長い目でみれば成功に結びつく、ということです。

焦ってはいけません。ゆっくり「魚釣り」を教える(教わる)ことが大切です。

ですが、腹が減っているときに「魚はいらない。魚釣りを教えてくれ」と言うのは難しい。




2008年9月18日木曜日

会社のモデル化

事象に対してその本質(真実)を抜き出したものをモデルと言います。

システム開発の世界では、DB設計の際にER図を書く行為をデータモデリングと言ったりします。


最近、会社とは何かを悶々と考えているので、これを応用して整理してみます。


<前提>
会社は、利害関係者、例えば、社員、社員の家族、株主、取引関係者、地域、の人たちに対して、事業を通して貢献していく責任がある。





         社会貢献の図

          社会貢献
           ↑↑↑(Never give up)
    起業 → 事業の成長
           ↑↑
          相乗効果
            ↑
       (常に改善・向上)
  ビジョン・目的・方向性の明確化と意味付け
  よりよい事業の探求とチャレンジと品質
  お客様の成功を第一に考えた製品・サービス
  収益性を高める努力と変革への取り組み
  信頼の上に成り立つ役割と責任と公正な待遇
  やればできる一体感と明るい雰囲気
  優秀な人材の雇用と終わりなき教育・学習



会社は社会貢献を目指し、その評価は、社会から受け取ります。
事業が社会に受け入れられれば、収益と価値が高まり、評価を得られなければ、赤字が続き、継続に疑義が発生します。




(つづく)

2008年9月17日水曜日

右脳と左脳

右脳は直感、創造、芸術、音楽、など本能的な能力を、

左脳は論理、計算、分析、言語、など理性的な能力を司っています。

経験的にSEには左脳タイプの人が多いようです。僕もそうです。たぶん。
SEは、集合論やマトリックス(表)、ツリーやフローで考えることが多いので、論理的ということです。

ただ、左脳は記憶領域に限界があるようで、ある仕事を行う前には、直前の仕事の内容を退避させておく必要があるということです。ディスクのスワップ領域のように。


右脳タイプは、営業やコンサル、またはデザインなどをやっている人が多いようです。
物事を体系的に捉え、コミュニケーションや感性、五感で仕事を進めることが得意なようです。記憶領域は無限で、瞬時に取り出すことができるそうです。

最近よく見るマインドマップは右脳を刺激し、潜在意識を引き出し、ロジカルに記憶や整理を行おうとする手法で、まさに右脳と左脳の活用です。

思うのですが、このブログを書く行為も、ある意味、右脳と左脳のコラボレーションではないでしょうか。

最近、脳が活性化しています。



2008年9月16日火曜日

改めて

ようやく自分のなかで消化できたので、ここに書こうと思います。

実は、半年前に退職した社員がいました。

むかしはどちらかというと、去る者は追わず、といった考えで、退職に関して、ある意味、無頓着でした。
しかし、半年前に辞めていった社員は、うちの立ち上げ間もないころから一緒にやってきた人間で、十分な信頼関係が築かれていると思っていただけに、正直、ショックでした。

自分に繋ぎ止める魅力がないということなのか、小さいながらも組織を取りまとめる自分のリーダーシップ性に問題があるのでは、とさえ考えていました。

社員が自己都合で退職届けを出すことはやむおえません。個人の考えや内面まで会社は干渉できないわけで。
しかし、会社を辞める行為は、個人的ではあるけれど、会社に対しての反論や否定の表現、心の声なのでは、と思います。
つまり、会社についていけない、とか、会社の経営、人、やり方、環境、その仕事がいやだとか、給与が安いとか、そういったことです。

(もちろん、自分の志が会社と違うという理由もあると思いますが、それは仕方がない)

そういう、言わば、会社に対する「物言い」のシグナルは、辞める以前からあったはずです。それに気がつかずに、(本意ではないですけど)ほったらかした自分の不甲斐なさには、反省点が多くあります。


そこから考えて、経営的には人的資源、会社的には社員、従業員、いや、そういう言い方ではなく、メンバー、仲間と呼ぶような関係で、心底、仕事が楽しく、意味ややりがいを共有できるならば。。。を目指してかんばってみようと思っています。

彼に教えられました。がんばっているかなー。

2008年9月15日月曜日

サービス精神

今日、近所のCoCo壱番屋に食べに行って感じたことを少し。

僕は愛知県出身なので、ココイチは結構好きです。

子供も一緒に連れて行ったのですが、うちの子は特におてんばで、大人しくカレーを食べるだろうか、と心配でした。

席に案内されると、子供用のイスを出してくれて、気を良くし、メニューを見ていると、「お子様カレー」があるんですね。初めて知りました。

食べる前には、前掛けも出してくれました。え、そんなのあるんだ、という感じです。

そのうえ、食べ残したものをパックにしてくれました。

なんてことはないサービスです。しかし子連れでの外食は結構苦労します。


理念として、サービス精神を謳っている企業は数知れません。しかし、実際に客となってサービスを受ける側に立ったときに、そのサービスを心地よく感じる瞬間はそうそうありません。


よくソフトウェア業もサービス業と言われます。業種として「情報処理業」とか「情報通信業」とかいう区分けは、80年代にはなかったと記憶しています。たぶん。

そういう意味では、我々の仕事もお客様にサービスを提供するという意味で、高貴な理念を実行に移す努力を惜しまずに精進したいものです。



おまけで、ココイチのお会計のとき、子供にお菓子も出してくれました。ほ~。



2008年9月13日土曜日

七人の侍


黒澤明監督の最高傑作です。

勘兵衛(かんべえ)率いる、個性溢れる侍たちが、農民のため、盗賊から村を守るというあらすじです。

かなり前に観たことはあったのですが、最近改めてDVDで観ました。むかし観た印象と打って変わって、単なるエンターテイメントを越えた、人生の示唆に富んだ映画だと感じました。

ここで描かれる武士たちは、農民を守り、農民はその対価としては、武士に食べるものと寝床を提供します。

武士の中心的存在である、勘兵衛は、村を盗賊から守るため、戦略を立て、リーダーシップを発揮して仲間と農民を先導します。

それはみなが認める信頼感と技術力、実行力を備えた資質と、適確なマネジメントと高潔な人格が織り成す存在感。

なんとも考えさせられます。



2008年9月11日木曜日

インターネットの未来


今年に入ってから、クラウド・コンピューティング(Cloud Computing)という単語をよく目にします。
クラウドとは「雲」の意味で、ネットワーク図で、よくインターネット網を「雲」で表現することから来ているようです。


最近、なにかと話題のAppleのiPhoneや、近々出てくるであろうGoogleのAndroidなど、アメリカ発モバイル業界が狙っている、端末とアプリケーションとデータの理想的な形と思われます。
イメージはこうです。
アプリケーションやデータをインターネット上のサーバに保管し、端末は空同然にしておきます。利用者は、インターネット上である「向こう側」のアプリケーションを自由にチョイスして使うことができ、データも「向こう側」に保管されます。端末は最低限のスペックで提供され、壊れたり紛失してもデータは守られます。

Googleはさらにこのアプリケーションを誰もが自由に作れて、誰もが提供できるマーケット要素の強いサービス(Google Android Market)の公開を計画しているようです。

去年「Web2.0」などと表現された、Webの活用形態の進化形だと思います。「Web2.0」ではインターネット上で提供されたサービス(API)を呼び出して、使い手(ブラウザ)の可能性を広げていく考え方ですが、クラウド「雲」では、これがよりオープンになっていく感じです。

音楽、ゲームをダウンロードするのと同じように、(ただしコストがかからずに)あらゆる分野のサービスやアプリケーションを、必要に応じて自由に取得して使うことができたら。。
しかもそれが、オープンソースの台頭のように、世界の開発者たちの貢献で広がっていけば。。きっとインターネット・コンピューティングの常識は変わるでしょう。


このような構想は、1996年ごろにOracleがNC(Network Computer)という商品名で、一般家庭をターゲットにした戦略で、脚光を浴びたコンセプトと同じです。
NCは当時、PCを格安にして機器もシンプルにしようという発想で、価格5万円程度で、CD-ROMやHDDなどストレージを持たないPCとして登場しました。
アプリケーションはダウンロードして利用し、ユーザはコンピュータに対する知識がなくても使いこなせる、という発想です。(Oracleのチャレンジはいつも魅力的です)
しかし、当時のネットワークの回線速度とアプリケーションの使い勝手が問題で普及することはなく、Oracleは撤退を余儀なくされた記憶があります。

僕は、当時、ある展示会でNCを触った記憶があるのですが、もしこれが普及すればWindowsはなくなるな、と思ったものです。MSはスタンドアローンのアプリケーションに力を入れていたわけですから。


今の日本のインフラ事情と、Googleの台頭、ユーザのリテラシーを考えると、このクラウド・コンピューティングには大いに期待しています。

Googleはきっとクラウド「雲」を、全世界の人に提供できるだけの容量と速度を確保しようと、全米に巨大なデータセンターをいくつも持っている(持とうとしている)に違いありません。
ひょっとしたらPC、モバイル問わず端末のOSをも自由にチョイス、カスタマイズできるようなサービスも考えているのでは、と想像します。

もしOSを自由に選択できる仕組みがあれば、その用途に合わせて、個人向け、特定業務向け、子供向け、などなどセキュリティも考慮された、より特化した使いやすい端末に仕上がります。
インターネットを介してOSをカーネルレベルで、容易に自由に安全にカスタマイズできる時代がやってきたら。。
技術的には非常に興味があります。そのころはもうOSとは表現しないかもしれません。

2008年9月10日水曜日

コーディングに大切なこと

コーディング(=プログラミング)とはパズルのピースを効率よくはめていくような仕事だと思う。効果的に美しくはめることができれば、その瞬間すべての苦労が報われる。より難易度の高いパズルであればあるほど、その喜びはひとしおで、ついつい時間を忘れて没頭してしまう。この感動の達成感のために毎日コーディングに対する工夫と問題解決の腕を磨く。

その感覚は、ミュージシャンがギター片手に作曲活動に没頭している姿を想像し、偶然、見つけたメロディラインの美しさに、大ヒットの予感を感じる瞬間に似ているのではないだろうか。

時間がないという理由で、コーディングにおけるアルゴリズムの手抜きやテスト工程の省略は、プログラムの完成度(品質)を落とすことになる。妥協して作った曲が大して売れないことと同じように、バグ含みで逆に時間のかかる仕事になってしまう。

そう考えると、最初のコーディングから、真剣勝負で挑んで、いいものを作ろうとする姿勢が大切なのではないだろうか。

ひいては、この考え方が『3 . 品質は検査よりも、最初の製造段階が重要である。』という言葉につながると思う。
僕はこの『最初の製造段階』を『最初の真剣勝負』と訳したい。

2008年9月9日火曜日

リゾナーレ

先週末、休みを取って、家族で八ヶ岳連峰のふもとに位置する『リゾナーレ』というリゾートホテルに行って来ました。
緑に囲まれた空気の澄んだところで、落ち着いた静かなたたずまいと、行き届いたサービスが、心身ともにリフレッシュさせてくれます。
特別な休日を満喫することができました。お薦めですよ。

子供もリフレッシュの様子。

2008年9月5日金曜日

品質を考える

エドワード・デミングという人をご存知ですか?
戦後、日本の製造業の品質と生産性の向上を牽引した偉人です。
かの有名なPDCAを提唱した人ですが、これについては、またいずれ書きたいと思います。
私は最近この人を知りました。

システム・エンジンニアという仕事と、「品質管理」は切っても切れない関係です。いかにソフトウェアの品質を向上させるかは、永遠のテーマであり、いつか登りつめたい大いなる山でもあります。
それは、人がプログラムを作ることの不確定さや曖昧さを、いかに最小限に抑えることができるのか、という課題を突きつけます。

今、弊社の品質活動の基盤となる策定を行なっているのですが、この品質を考える上で、非常に参考になり、また具体的な考え方、行動方針を教えてくれる、"Elaboration on the 14 Points"(デミングの14の原則)を紹介したいと思います。

原文を自分なりに解釈し、訳しましたので、不備があるかもしれません。あしからず。

1. Create constancy of purpose toward improvement of product and service, with the aim to become competitive and to stay in business, and to provide jobs.
ビジネスの継続のために、まず、製品とサービスの改善を目指して確固たる目標を持つ。

2. Adopt the new philosophy. We are in a new economic age. Western management must awaken to the challenge, must learn their responsibilities, and take on leadership for change.
古い考えと決別し、新しい見方を取り入れる。

3. Cease dependence on inspection to achieve quality. Eliminate the need for inspection on a mass basis by building quality into the product in the first place.
品質は検査よりも、最初の製造段階が重要である。

4. End the practice of awarding business on the basis of price tag. Instead, minimize total cost. Move toward a single supplier for any one item, on a long-term relationship of loyalty and trust.
仕入先の評価基準は、コストではなく、長期に渡る信頼関係から確立される。

5. Improve constantly and forever the system of production and service, to improve quality and productivity, and thus constantly decrease costs.
コスト削減を継続させ、品質と生産性向上のため、システムの改善を繰り返す。

6. Institute training on the job.
OJT(実務を通しての訓練)を確立する。

7. Institute leadership. The aim of supervision should be to help people and machines and gadgets to do a better job. Supervision of management is in need of overhaul, as well as supervision of production workers.
リーダーシップを発揮し、よりよい職場環境を築き上げる。

8. Drive out fear, so that everyone may work effectively for the company.
効果的な成果を得るために、問題の早期発見に努める。

9. Break down barriers between departments. People in research, design, sales, and production must work as a team, to foresee problems of production and in use that may be encountered with the product or service.
関係部署の障壁を取り除き、全社がひとつになるように努める。

10. Eliminate slogans, exhortations, and targets for the work force asking for zero defects and new levels of productivity. Such exhortations only create adversarial relationships, as the bulk of the causes of low quality and low productivity belong to the system and thus lie beyond the power of the work force.
部署間で競争を促すような目標やスローガンは設定しない。

11a. Eliminate work standards (quotas) on the factory floor. Substitute leadership.
労働の標準化が重要なのではなく、なによりリーダーシップが最優先である。

11b. Eliminate management by objective. Eliminate management by numbers, numerical goals. Substitute leadership.
目標を管理することが重要なのではなく、なによりもリーダーシップが最優先である。

12a. Remove barriers that rob the hourly worker of his right to pride of workmanship. The responsibility of supervisors must be changed from sheer numbers to quality.
生産者のプライドを守り、数値目標よりも質の向上に努める。

12b. Remove barriers that rob people in management and in engineering of their right to pride of workmanship. This means, inter alia, abolishment of the annual or merit rating and of management by objective.
管理者のプライドを守り、評価、目標達成よりも質の向上に努める。

13. Institute a vigorous program of education and self-improvement.
教育と自己啓発の強力なプログラムを確立する。

14. Put everybody in the company to work to accomplish the transformation. The transformation is everybody's job.
変革のための仕事を全員で受け止めなさい。変わることが全員の仕事です。


改めて気がついたことは、
「生産性」と「品質」は人と人との関係性が作り上げるもので、大切なのはマネージメントではなく、主体性や誠実さ、良心や謙虚さ、なのではないか、ということです。

彼の言葉があります。

『指導者は、人々に個性があることを理解しなければならない。それは何もランク付けするということではない。各人に組織内での役割があり貢献していることを理解するのがマネジメントの責任である。』[Deming, W. Edwards. 1993. The New Economics for Industry, Government, Education, second edition. ウィキペディアより引用]



2008年9月4日木曜日

パラダイム・シフト

パラダイム・シフトとは、発想の転換という意味です。簡単に言うと、今までの古い見方から新しい見方に変わることを指します。

私が20代前半に働いていた会社の社長さんが、研修会などで、社員の前で口にしていた言葉ですが、当時、なんのことやら、と思っていました。
最近、その意味がようやく実感できるようになりました。


少し前にあったことです。

ある仕事の打ち合わせの場で、弊社が提案したシステムの仕様に関して、こんなやりとりがありました。
私は、「この仕様がもっとも効果的で実績もあります。」是非、採用してほしい、と交渉していました。
自信もありましたし、承諾してもらえるだろう、とも思っていました。

しかし、この仕様では思いもよらない状況で、役に立たなくなることが判明し、お客様は、「この仕様では使えない。あなたのシステムは重要な部分が欠けている。」と跳ね返してきました。ムッとしました。
事実、それはかなり稀有なケースで、仮にあったとしたら、システムの継続はできないだろうと判断するのが通例でした。要求される仕様に対応するとなると別途工数がかかり、お客様の指摘をまっこうから受け付ける余裕はありません。
前の自分ならば、このケースはシステムでは救えません、と言って押し通すか、変更するために工数を上乗せするか、といった能のない選択をしていたと思います。

つまり、システムの想定外の事象を固定観念として決め込んでいたに過ぎないということです。

しかしそのときは、あ、そういう意見も新鮮で貴重だな、と客観的に感じ、対応するしないは問題とせずに、「わかりました。」と受け止めました。
お客様の視点は、システムの開発都合ではなく、システムを導入することで生じるメリットやデメリットを、ケースバイケースで判断している、ということが本当の意味で理解できました。
お客様の視点に立ち、最善を尽くす姿勢を打ち出したところ、お客様の表情や態度が一転し、より親身に好意的に打ち合わせを進められる雰囲気が作られました。

そのとき感じたのは、何が一番大切なのかを考えて、過去にとらわれないパラダイム(発想)を選択する重要性でした。
発想の転換を、人からこうだ、こう変われ、と言われても本当の意味での理解はできません。自分の身で気がつき、そうだ!こう考えよう、と努力をすることで、本当の意味のパラダイム・シフトとなるのではないでしょうか。気持ち次第でいくらでも人生は変えられるということです。

人は自分自身で本当に変わろう、と行動しない限り、変えることはできません。人からどれだけアドバイスを受けても、本当の意味で自分の精神に響かなければ、行動は起こしません。
ひとりひとりが、何かをきっかけに、今と違った見方を感じることができれば、今よりももっと大きく躍進することができると確信しています。


2008年9月3日水曜日

ホワイトボード


うちのメンバーはホワイトボードをよく使います。なぜ?私も好きですが。
色も黒、赤、青、緑と取り揃え、書き味が悪くなったら、すぐにストックから新しいマーカーを取り出します。
書いたら、デジカメでパシャりと保存し、メモ代わりに活用します。
原始的ですが、手軽でいいんですよ。PCで文書を管理するより、みんなの前でレビューも兼ねて、ああだ、こうだ言って書いたほうが頭に残ります。
一番重要なのは、あのマーカーの書き味ですね。スラスラとすべるように適度なインクが乗る感じはいいですね。

ここはデジタル化できません。

2008年9月1日月曜日

目標と成功の関係

誰もが知っているシンデレラの話。あのディズニーアニメですね。あらすじは言うまでもなく女の子のサクセスストーリー。僕ら男には無縁です。
うちの娘が好きでよく見ているのですが、これが、最初のうちは単純な女の子の夢=王子様とのハッピーエンドと思っていました。よく言いますよね、玉の輿ってやつです。

上辺を観るとそのとおりなのですが、よくよく観ていると、なんと、シンデレラは自分の力でその幸せをつかみ取っている、ということに気づきます。
継母にいじめられても、掃除をさせられても、いやとは言わず、明るく、夢と信念を持って、力強く生きています。誠実な人柄から、ねずみ達の信頼と、妖精の助けを得て、舞踏会に行きます。そして、王子様に出会い、ガラスの靴をきっかけに結婚という夢をつかみます。

言い換えると、

継母 = 試練
ネズミ達 = 仲間
妖精 = 上司や尊敬する人
舞踏会 = 社会・規律
王子様 = 目標・ビジョン
ガラスの靴 = 能力・努力の結晶
結婚 = 成功

試練を受け止め、明るく誠実に人と接し、上の人の意見を謙虚に聞くことで、一段上の舞台に上がることができます。そこからは大きな目標を持ち、着実な努力と目標達成のための能力が、『成功』に結びついていく、という解釈です。
何事も偶然の産物ではないということですね。

まあ、何をもって『成功』とするかは難しい判断ですが。