古代ギリシア人は4つの職業観を持っていたと言われています。
・技能(ペイラ)
・経験(エンペイリア)
・技術(テクネ)
・知識(エピステメ)
下にいくほど知識レベルが高度になっていきます。
ペイラは、「習うより慣れろ」といった反復訓練により習得される技術をいいます。
エンペイリアは、実際的知識と言われ、ペイラよりも経験を持ち、裏づけされた熟練の技術を持ちます。
テクネ(テクニックの語源)は、原理原則を踏まえた体系的な技術知識。言わば師範に弟子入りしその道のプロを目指している弟子が、一人前になったときに得られる技術といったところでしょうか。
エピステメは次の機会に。。
ピーター・ドラッカーによると、産業革命を境に技術が知識として体系化され、知的労働という現代人の職業観が芽生えたようです。
つまり以前は、技術は人から人へ伝授されるもので、長い時間をかけて学び、継承した者だけが得られる特別なものでした。弟子入りして苦労して修得される古代でいうところのテクネだったのです。
それが人類の功績によって技術は体系化され、書物になり、学問になり、多くの人々が学び得られる知識となりました。
現代はインターネットによって、あらゆる知識を得ることができます。ですが、経験を積まない知識は技術にはなり得ないということです。
ピーター・ドラッカーがいいことを言っていました。知識とは知恵に至るための道だ、と。
知恵:物事の道理を判断し処理していく心の働き。物事の筋道を立て、計画し、正しく処理していく能力。