2008年10月28日火曜日

「好き」から始まる品質

ドミノ倒しの瞬間は爽快です。それまでの苦労が一気に解放される瞬間でもあります。

ドミノをならべるときはその列が長くなればなるほど慎重になり、終点に近づくほど緊張してきます。それはドミノをならべるために費やした時間が、ひとつのミスで水の泡になる恐れを感じるからです。このミスを防ぐために、駒抜きといって不意に倒れたドミノが伝播しないように工夫をします。

ソフトウェアの開発に当てあてはめるとこうなります。

ドミノ = ソースコードやドキュメントなどの成果物
ならべる = 開発作業そのもの
駒抜き = バックアップやバージョン管理
倒す = 運用

もちろん、ソフトウェアはドミノのように一回だけの動作ではありません。構築すれば、何回も運用されます。そして、ならべたドミノの間隔や角度が、ソフトウェアの品質に相当します。ドミノが途中で倒れずに残ってしまうと、品質に問題があるということです。

そう考えると、品質はさまざまな要因が関係しています。

作り上げるもののニーズ、リーダーシップ、人の参画と協力、人が持つスキルセット、効果的なマネジメント、環境、そして何よりもドミノをならべることが「好き」というひとりひとりの心持ちです。

本質は、好きなこと → 楽しい → 多くを学ぶ → よい結果を生む という循環だと思います。

すべてのドミノが思ったとおりに倒れたら圧巻です。つまり、要求事項を満たしたソフトウェアを作り上げてお客さんが喜んでくれたら、やりがいがあるというものです。

この最後の瞬間のために、仕事をしていると言ってもいいかもしれません。