2008年11月12日水曜日

火星派遣団は全員で

常々思っていることですが、仕事において行動の中心に置くべき企業理念はどう構築するべきなのか。このテーマを考えるにあたり、「ビジョナリーカンパニー」で表現されていた言葉で「火星派遣団」というのを切り口に考えたいと思います。

これは、企業理念を練り上げる作業において、誰がその議論に加わるべきか。火星で会社を立ち上げると仮定したときに、より色濃く会社の遺伝子を継承している者が参加すべきで、宇宙船に乗れるぐらいの人数に絞ることが適切だという意味です。

しかし僕はできることなら、会社に属する全員の参加をもって、議論したいと考えます。

そうすることで、(1)みんなの個人としての価値観をお互いに共有することができ、(2)その共通項を見出す作業において、理解し合い、(3)新しい考えを発見することにつながると思うからです。この共同作業によって議論の深みと一体感が生まれると思うのです。数が多すぎてまとまらないならば、納得がいくまで時間を掛ければいいと思うのです。非常に楽しい時間になります。

しかし、議論するにはそれ相応の準備が必要です。理念をみんなで話すという異色性を理解し、自らの心の思いを話し、人の話しにも深く耳を傾けることができる必要があります。もしこれらができなければ、いくら話し合っても時間の無駄というものです。

話し合う前に全員の意識レベルを底上げし、少なくとも自分の存在理由、大切なもの、何のために働くか、将来どうなりたいか、などの基本事項を自分なりに整理しておく必要があると思います。各人が時間を掛けてそれを準備し、明確にすることではじめて理念を作り上げるための議論ができると思うのです。その過程すべてが会社にとっての財産になると信じています。

そして理念としての言葉は、状況に応じて変わるようなものではなく、不変性を基準にしたシンプルな言葉であればよいと思うのです。

このようなことを考えて、これから1年かけて、みんなで理念を考えていこうと思っています。