2008年11月3日月曜日

ドストエフスキー

きのう、子供の観ていた「サザエさん」を何気なく一緒に観ていたら、波平が「罪と罰」を読んでいて「昔読んだときよりも、ずっとスラスラ読める。それだけ歳を取ったのか」というようなことを話すシーンがありました。

僕も大学受験の頃、暗い青春を演じて、なんとなく読んでみたものです。むずかしかった~。あの頃からは十分時間が経ったのでスラスラ読めるかも。古典文学の新訳ブームですし。

 

選ばれた天才の個人的価値観は、大衆を超越してコントロールすることが許される、という人間の欲と良心の呵責を題材にしています。

この話は、どこか現代社会の偏った風潮にも通じている気がします。豊かさの象徴である富は、その分配ルールを決めた一部の選ばれた人間に、より多く流れていくという構造が、自由経済という名のもとでシステマティックに確立しているという点です。まるでピラミッドの底辺は頂点を支えるためだけに存在する、と言っているようです。ラスコーリニコフのようにいずれは考えを改めないことには社会は崩れます。 

【訂正】いえ、改めるというよりは、その成り立ちは不公平だとネガティブに捉えるのではなく、いいこともあるさ、と前向きに考えたほうがいいというものです。なにしろ不満を口にするだけでは取り巻く環境は変わりませんから。

変えようとする勇気が大切です。