2009年8月11日火曜日

「契機」を考える

「情熱」と「能力」のつづき。

「契機」は英語で opportunity または chance だが、日本語でもきっかけ、好機、偶然、タイミングなどのニュアンスがある。

それはあたかも自分ではコントロールできない天からやってくる代物のように感じる。

しかし実はこれは偶然の産物ではない。自ら求め、あるいは与えうるものなのだ。

どういうことかというと、私事の話をしよう。

私は30歳を迎える少し前に生涯を独身で貫こうと心に決めたことがある。それは本当のパートナーをこの世から見つけることが絶対に不可能だと考えていたからだ。よく言えば理想が高く、悪く言えば結婚に悲観的だった。むしろひとり気ままに生きていくことのほうが充実した人生を手にすることができる。そう考えていた。

しかし、結果的にその考えはひとりの女性と出会うことで、もろくも崩れ去った。瞬く間に恋に落ちたとはこういうことである。もちろん、結婚が成就するためにあらゆる手を打ったことは言うまでもない。

出会った瞬間から人生が変わったわけである。

この契機はなんだったのか。単なる偶然ではない。人生のうちの限られた出会いのなかで、最大限にその出来事を受け入れ、行動、決定する意思、そして選択の自由が私のほうにあったのである。

つまりきっかけを生かすも殺すも本人しだいなのである。

それは生きている限り、場所が変わり時間が経過する限り、無数に存在しているのである。

それを掴むのは自らの視点と行動でしかない。

こう考えると今置かれている状況、立場はすべて自ら選択したものだと分かる。

そしてこれから起きる未来も自らの意志なのである。偶然はない。


成功の条件は「情熱」と「能力」と自ら選択し行動し最大限に生かすことのできる「契機」である。