2009年8月5日水曜日

コーディングし続けるその先に

聴覚を失った偉大なる音楽家ベートーヴェンにこんな逸話がある。

彼は膨大な数の楽譜の断片を遺したそうだ。しかし作曲するときにそれらの楽譜を見ることはなかった。

ではなぜ楽譜を書くのかと聞かれてこう答えたという。書かなければ忘れる、しかし一度書けば一生忘れない。

これは書くという行為の学習性を示している。

思考を脳から取り出すことが記憶として浸透させるきっかけになる。



我々の世界で言えばソースコードは、書くだけでなく設計をしてコーディングして動かして検証するまでの一連の作業を通して出来上がる。これを共同作業で。

これは書く以上に幾重もの開発作業を重ね、言わば脳からうやうやしく取り出される。当然、記憶にはいやでも焼きつく。

そういう意味で一度書いたソースコードはそのときの多忙な出来事と共に記憶され、いずれ「あ、昔なんかこんな感じのコードを書いたっけ。。あのときは大変だったなあ。」とかなんとか言って、昔のソースコードを探し出すのである。

そう考えるとコーディングし続けたその先に、いずれ集大成である「作品」が待っている。