2009年7月6日月曜日

中学2年生に教えられたこと

休日は娘と近所の児童館で過ごすことが多い。
図書館に併設された区の施設で子供たちの遊び場の少なくなった都会の安全地帯なのだろう。小中学生がみんな自由奔放に遊んでいる。

娘とシンデレラのパズルで遊んでいると、少年が近づいてきて「囲碁やろうよ」と誘ってきた。お、珍しいな、と思った矢先、囲碁はやったことがない。。

少年が五目は?と言って碁石と碁盤を用意している。おもしろい子だな、と思って快諾すると早速打ってきた。売られた勝負は買わなければと、娘を横目に「よし」と打ち出す。
30年ぶりに五目並べをやった。少年がさくさく打ってくるもんだから、頭の回転が追いつかず1戦目は取られた。

「小学生?」と聞くと「中2」と。いまどきの中学生が囲碁か。。実は今年に入って囲碁がやりたいと思っていた。でも時間と相手がいない。。


五目でもいいやと受けて立ったが、これが結構面白い。相手の打つ位置を見て連なる石の方向から相手の動きを読んで並びを妨げる。そして、気が付かれないように仕掛ける。
結構熱くなった。2戦目に僕が勝ち少年も熱くなったようだ。少年が「俺と互角だな」と。ふふふ、伊達に大人はやってないよ。

何戦か交えるうちに、相手の手の内が読めてきた。少年は打つ石を好き放題に広げる。広げて並びそうな交点を拡散する。よく見ていないと忘れてしまう。
しかし忘れる頻度は少年も同じだった。碁盤の中の石はお互いにすべてを包み隠さず見せているわけだが、自分の手を進めていくうちに相手の行動が記憶から遠のいてしまうのだ。
重要なのは相手の動きと並びそうな線の組み合わせを読み、伸びる並びを阻止して、自分の手を仕込むこと。おもしろい。

後で調べたらできるだけ外に広がるように打つのはセオリーらしい。そして自由に好き勝手打てる先手のほうが有利なのだそうだ。少年が先手を取った回数が多いじゃないかと思い出したのは負けず嫌いの証拠かな。

ちなみに2つの石の並びからひとつ飛び越えて3つを並べた状態を「飛び三」(とびさん)という。

先を読み「飛び三」を交えて並びの可能性を広げていく攻めと相手の動きを予測して並ばせない守り、まさに相手に見えないものを先に見るというところは経営戦略と同じじゃないかと気付かされた。
そして、何よりも物事を大局的に捉える大切さ、「木を見て森を見ず」の状態が負け(失敗)の要因になることを実感した。盤を「よく見る」とはこういうことなのか。

ほんの小一時間だったけど新鮮だった。


ウィキペディアで調べると囲碁とかオセロ、連珠(五目並べ)はアブストラクトゲーム (Abstract Games) というらしい。説明はウィキペディアより引用すると、

広義には、名前通り抽象的(アブストラクト)で、元となった現実の出来事など(テーマ)とゲームの内容とが余り関係のないものになっているゲーム、あるいは具体的なテーマが全く存在しないゲームを指す。ただし、トランプゲームやカードゲームは含まれない。
狭義には、上に加えて
  • 偶然が関与しない
  • ゲーム内の全ての情報が公開されている
  • ルールが明解で解釈の余地はない
といった条件を満たすものを指す。


何がいいって、このAbstractという響きがいい。(Javaをやっている人には分かるよね)